服を縫うこと

私、現在服に携わり服だけで何とか生きています

服を縫ったり、お直ししたり、リメイクしたり、裾上げ頼まれたりするんです

すると『面倒な事頼んでごめんやで』とか『俺はこうゆう作業無理やわ、すごいなぁ』とか言われたり感じたりします

そう思うのも仕方がない、パッと見は細々した作業してますからそうも見えるでしょう

でもですね、意外とそこに苦は無く

私から言うと服縫うのはプラモデル作ってるみたいな感じです

ちっさい時プラモデルやりませんでした?

あの感覚です

プラモデルって完成後ももちろん楽しいですが作ってる最中が一番夢中になりません?

僕はもろにそのタイプで完成までは熱中するのに完成したら飾ってほこり被るだけ

服はそのプラモデルの最高難易度バージョンみたいに考えています(プロモデラーの方はすごいと思っています)

カチッとしたプラスチックで切り取り線が決められているのではなく

ふにゃふにゃの布の上に設計図(パターン)を置きその形に裁断する

それを縫い合わせ立体にし服として完成させる

プラモデルならそれを飾ったり遊んだり鑑賞して終わりですが

それが服だと完成から人が着て人生を進めていくというストーリーが待っています

そこが面白かった

作って終わりじゃなく作って始まり

それが人に使われボロボロになって帰ってきて修理するとかもとてもおもしろい

旅してきた連れに再会する感じ

服作りは最高難易度のプラモデル

服好きな貴方ならきっと楽しく作れると思います

家にオカンのミシンとかあったら何か縫ってみましょう

面白いですよ。

 

 

 

最高の服2

新年明けましておめでとうございます。

本年も誰だか分からない私の拙い文章を何卒宜しくお願いいたします。

さてさて

前回最高の服について書きましたが

書き忘れた事がありましたので追記で

最高の服とは

前回申し上げた『その人が一番多く着ている服』はもちろんそうなんですが

もう一個かなり大事な要素がありました、それは

『テンションが上がるかどうか』です

服には面白い特性がございまして

布を『服』にして着ると人々のテンションを上げ下げ出来るんです

これが一種の魔法みたいなもんで

それが同じ服でもテンションブチ上がる人からガタ落ちの人まで様々なんです

なので最高の服を探す手がかりの多くは自分の判断に委ねられています

『着てテンションが上がるかどうか?』単純ですが最重要事項です

そこには様々な要素が必要になります

単純にかっこいいし好きなデザインとかもう今では手に入らない名作だとか

誰もが買えなかったスーパーレアもんとかあの憧れのブランドのやっと手に入れた思い出の一品とか、激安でゲットしたのにすげー着やすいとか、10年ぐらい着ててボロボロやけどやっぱり着ちゃう愛着品とか、

色々あると思います

全ての要素を踏まえまたそこを飛び越え『着てテンションが上がるかどうか?』

上がるなら最高の服です

下がるなら最低

無理やり上がってるのは持ってかれたか乗せられただけ

商売上手の大人のビジネスの片棒を担がされただけ(テンション上がってるなら正解)

あくまで自分単体でその服と対峙し着てテンションがどうなるか?

それはもう情報とか記憶を超えた自分の本心、直感に繋がる所があります

服自体は正直何でも良いと思います

ただ本当にテンションが上がるかどうか?

心から、本心からテンションがどの様に変化をするかが見ものです

極端な話ですが

テンションが上がる服ならば『お!今日はお気に入りの服着てるから何だか気分が良いな、あの新しいお店行ってみようかな?』と動きが生じます

でもテンション下がる服なら『うわ!なんか俺今日イケてへんわ、今日は大人しく帰るか』と動きも無くなります

社会の動きすら変える力がテンションを上げる服には存在します

情報操作された服にテンションを持ってかれるのでは無く

自分のテンションが上がる服を見つけ大事に着てあげてください

もし『今までで一番多く着た服』が『テンション上がる服』なら

それは貴方にとって最高の服なのかもしれません

さて

今貴方が着ている服はテンションが上がる服でしょうか?

 

 

最高の服

最高の服とはなんぞや?

服を生業にしている身としては幾度となくよぎるこの問い

人種性別、身長体重、骨格や筋肉や脂肪の付き方の様々な個人差を超え

最高の服とは何なんだろうと高校生ぐらいから考えておりました

自分なりに何度も反芻し考えた結果以下になりました

その人にとっての最高の服とは?

一番簡単に判断するなら

『その人が生きてきた中で一番多く着た服』です。

それはパジャマに成り下がった中学の時のジャージなのか

寝巻きにしてる昔買ったヨレッヨレのT−シャツなのか

皆さま色々違うと思います

ただやはり『一番多く着た服』が何を置いてもその人には合っているんです

服が長くその人に着られるという事は以外とシビアで

ちょっとした不具合があると以外とすぐ着なくなるものなんです

サイズがなんか気にかかる、腕動かしたらなんだかつるとか、裏地が引っかかる感じがするとか、色が褪せて何だかなとか、今の気分じゃねーとか、高かったからたまーの勝負しか登場しないとか、雨降るからこれはやめとこうとか、すぐ汚れてしまうとか

今このサイズ感ええわとか、ヴィンテージやからあんまり着ると色落ちちゃうなぁとか

手洗いとかの洗濯に制限があったりだとか様々な条件が服ごとに存在するわけです

つまり

一番多く着ている服はその不具合が無かった物となるわけです

何も言う事ない服はあなたにとって意外とベストなのかもしれません

自然と着なくなり手元から消えていった服達と

何故か今もそばにあり相も変わらず着ている服のその差が合う合わないの絶妙さなのです

たまには一番多く着ている服に目を向けてあげるのも良いとおもいます

それが探していた貴方にとっての最高の服なのかもしれません

 

お洒落になる方法

お洒落になる方法(私の独断と偏見です)

それはとても簡単です

『自分の本当に好きな服を誰の目も気にせず好きなように着る』ただそれだけです

誰でも簡単にお洒落になります

ただこれが難しい

まず『自分の本当に好きな服』を見つける事が難しい

自分で好きだと思ってる服でも実際は誰かに持ってかれた『好き』になってる場合が多い

勝手に目に入ってくるような誰かのおすすめとかは無視してください

それは商売上手の策略です

全てを自分で見て自分で判断する事が前提

世界中の有名無名問わずまずはチェック

でそこから気になったものの実物をチェック

そこで良かったら買って着てチェック

着て良くなかったらまた最初から繰り返す

様々な地に出向き様々な服を見て、着て買って様々な状況で服を体感する

テンション上がったり下がったり丈夫やったり破れたり動きやすかったり動きにくかったり快適だったり不快だったり褒められたり貶されたりして服を感じ

また新しい服を探す事を繰り返し自分の本当に好きな服を見つける

そこで見つかった、探し出した『自分の本当に好きな服』

それを『誰の目も気にせず好きなようにに着る』これも難しい

大抵の人は人の目を気にして服を着ます

まぁそれもかなり重要、TPOがありますからね

TPOと季節感はベース(葬式にタイダイとか冬にメッシュキャップとかはね)

その上で他人の目は無視する

無視できるほど自分の好きな服を見つけれればいいだけの話なんですが

それが出来ない

大体は人の目を気にして服を着る

第三者の思う事を気にしてる

実際はほとんど誰も見てないのに

過剰に意識してる

様に見える

人の目を気にしてる時点でまだまだ発展途上中

色々な服を着る事が大事、色々な失敗も大事

そんな様々な経験がその人自身の判断力を鍛え精度と自信が上がっていく

そうなればこっちのもん

いくら流行っててやばいとされてようがダサいもんはダサく見えてくるし

ダサいダサいと思っていたもののお洒落な一面に出会ったり

見向きもしなかったアイテムにハッとさせられたり

お洒落、ダサいもコントロールできる自分だけの判断基準を確立すればいいだけ

やっぱり分からないと高い買い物やから失敗したくないと思い

『ブランド』の安心感に頼る

ダサくないとされているブランドなら大丈夫だと

流行ってるあのブランドなら絶対ダサくないと

よく分からんまま買って着ちゃう

確かに本物のブランドならかっこいいの作ってます

ただどんなブランドもかっこいいのもあるしダサいのもある

誰がどれを着てんねんって所が重要なのに

『ブランド』の看板に寄りかかっているだけの人は到底お洒落からは遠い

ただブランド面だけ立派で服はぼんくらみたいなエセも沢山存在します

騙されないでください

人を騙し養分にして上手い事やってるブランドは多数存在します

むしろそっちのが多いぐらい

全て自分で判断すればいいんですよ

味覚ぐらいはっきりと

自分にとって最高、最善、最良の服を見つけ存分に楽しんで下さい

その姿がお洒落なんです

余談

私はたまに街ゆく人たちの服を眺めてたりするんですが(市場調査的に)

大体くらう格好してるのはおじいちゃんです(あとはホームレス)

他人の目を気にして服着てる人には何も思わない

だってそこにはそいつが居てないですから

誰かに無意識に操作された格好は面白みがない

おじちゃんはいいですよ

人の目なんか気にしてないですから

『今日は日が強いからあんたこれ被っていき』なんておばあちゃんに手渡された帽子をさくっと被ってたり

覚えてる人で言うと頭は完全なる白髪にライトグレーのニット、パンツはチャコールグレイのスラックスに黒い靴

『白髪含めワントーンでグラデーションかぁ素敵やなぁ』とか

ホームレスの加工じゃないリアルなダメージに注目したり

既製服がなかった時代に生きた先人達の美しく仕立てられたジャケット、スーツに魅せられたり

『自分で服を着てる』人は皆さま素晴らしくかっこいいです

誰に何思われようがはね返せるぐらいに好きな服を見つけ大事に着てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アパレル

つい先日

依頼された仕事で協力して頂いた大先輩

齢80歳にして現役の老夫婦

服歴65年の大先輩と共に作業をしていました

洋裁学校で出会い40歳まで縫製工場、そこから今の今まで

都市の片隅で40年洋服に携わってきた大先輩方

手縫でスーツを縫える大先輩達

その大先輩と作業しながら様々な話を聞き

『兄ちゃんみたいな服縫える若い子がおらなあかん、

これからどんどん少なくなっていくから縫える子は価値出てくるよ、続けてくべきや』等の暖かい言葉を頂き

私は素直に泣きそうになりました

洋服に携わる人はこうなんだと、こうあるべきなんだと

その姿勢に様々な感銘を受けました

それと同時に今のアパレル業界への憂いも感じました

知名度やコネや繋がり、各雑誌社への癒着、華やかな経歴、ただのラッキー

有名どころ出身やただ作れる環境にあった人

そんな人たちのイージーシンキングで出来上がった服が持ち上げられる今

名乗りたいだけのアパレルと

大先輩達が真摯に向き合ったアパレル

どっちがアパレルでしょうか?

華やかなアパレル業界のイメージの裏にはひたすら地味な作業の繰り返し

華やかさも重要、気高さも必要

と同時に最も必要な人が見ていない部分での服との向き合い方

側の見せ方に拘り過ぎ軽率になる裏の地味な作業

真剣にミシンと向かい合っていればバシバシとイベントなんか打つ暇なんか無い

そりゃあたまにはパーティも必要、服を見せる機会を作る事も重要

ただ私には昔から思う事があって服一着も縫った事無い奴が作る服なんか信用ならない

ブランドがやりたいほど服が好きと言うなら自分で服を縫ってみたくなるでしょう?

縫った経験ぐらいあるでしょう?と思うのです

アパレルの華やかな一面だけを味わいたい為に服を利用しないでいただきたい

もう一度言います

名乗りたいだけのアパレルと

大先輩方が真摯に向き合ってきたアパレル

どちらが本当のアパレルでしょうか?

どちらの服を着たいと思えるでしょうか?

 

一体どれだけ

居てるんでしょうか?

デザインだけ出来る人は居る

パターンだけ出来る人は居る

裁断、縫製だけ出来る人は居る

では

デザインが出来てパターンもひけてそれを裁断し縫製して完成させるまで出来る人は

今のこの日本に一体どれだけ居てるんでしょうか?

自分の思想を物としての完成まで持っていける人が

人に任せれない程完成まで責任を持ち100%純粋にその人の考えが出た本物の服がもっと存在する市場を見てみたいものです。

 

ダサくなった事すらおざなりに

じじいみたいな発言やけど

昔は良かったな〜

服が

街のお洒落さんが

渋かったな

皆行ききってた

比べるもんがなかったから

どこまで行ききるかも決まってないし

各自が思う到達点まで

個々の自由に服着てた

今じゃSNSで毎日お洒落披露大会開催中(笑)

いいねで得る承認欲求

指一本で入ってくる情報量を処理するのに一杯一杯

好きなスタイルサンプルは見放題

人に見せれるほどわきまえてもないガキが必死に買ったレアもん褒めてもらいたくて

あっぷあっぷ(UPUP)

昔の(言うても15~20年ぐらい前)お洒落さんは今思うとすごかった

格好で好きな音楽のジャンルが分かった

パンクもロッカーもゴスロリもスキンズもB-BOYもチカーノもテクノもポップもサイケもラスタマンも全員ゴリゴリに仕上がってた

20そこそこの先輩がペレペレのスタジャン着て頭はコーンローに胸にはブリンブリン

かたやクロムハーツつけまくりとかガボールのチェーンぶら下げてるとか

全身ギャルソンの新作やらメゾンの服一式とか

今考えたらそんな若い奴らのどこにそんなお金があったんだろうと思うぐらい皆己を着飾ってた

当時を知る人と話すと大体その時のお洒落さん達は借金しながら毎月服とかを買ってたらしい

10万20万とかのレベルではなくカード何枚も作って300万400万の借金してる人もいたらしい

そこまで行くのはやばいけども

そこまで行ってしまう情熱は素晴らしい

それもひとえにゴールが無かったから

皆己でその好きなものを追っかけてた

ここまででいいやなんか無かった

とことん追求

ネットすらほぼ無い時代

好きな人たちの好きな事への詳しさも半端なかった

今の自称詳しい奴とは質が違ってた

今の詳しい奴の話はwikiまとめサイト2ちゃんとかの情報ばっか

調べれば出てくる実体験の無い話

実体験でその時代を経験し調べる方法も確立してなかった時に掘っていた人たちの知識とは質が違う

現代は低価格であろうが普通にそれなりに見える様に作られているからこそ

弱くなった感受性と探究心、感覚

ダサくなった事すらおざなりにして

一時的に取り繕う様な表層だけのファッション

そこは早々に飛び越えて

実際はもっと深くもっと面白い

自分だけの最高、最善、最良の服を見つけ出す旅に出ましょう。